「ラスト・ワルツ」 9/4〜5 静岡オリオン座で上映

60年にロニー・ホーキンスのバック・バンドとして活動を始めた“ザ・バンド”が、
76年11月25日、彼らが初公演を開いた場所、サンフランシスコの
ウィンターランドで解散コンサートを行った。

これはそのドキュメンタリー・フィルムなのだが、監督が曲者スコセッシ
(「ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間」や「エルビス・オン・ツアー」の
カッターだった)だけあって、完全な彼のコントロールの下で、
V・ジグモンド、L・コヴァックス、
M・チャップマン以下、当代一流のカメラマンを配して、
一つの映像作品として独立した内容を持っている
実際は6時間に及んだ公演内容のハイライトを紡いで、スコセッシ自身による、
これまた挑発的なインタヴューがその間隙を埋め、ちょっと窮屈なくらいよく練られた一篇。

B・ディランを初め、N・ヤング、J・ミッチェル、M・ウォーターズ……
アメリカン・ロックファンには垂涎のメンバーがいずれも素晴らしい演奏を披露する。
哀愁たっぷりの“ラスト・ワルツ”のテーマも胸に切々と沁み、
激動の60年代への挽歌と呼ばれる由縁である。But,R&R Can Never Die.


「ラスト・ワルツ」
監督/マーティン・スコセッシ  
出演/ザ・バンド ボブ・ディラン ニール・ヤング ニール・ダイアモンド
ジョニ・ミッチェル ポール・バターフィールド マディ・ウォーターズ
エリック・クラプトン ヴァン・モリソン リンゴ・スター ロン・ウッド

1978年製作 アメリカ映画 117分